はじめに
Iron Maidenは新たにSAMSONのブルース・ディッキンソンをボーカルに迎え入れ、3枚目のアルバム『The Number of the Beast』を1982年3月に発表しました。
日本の元号では昭和57年の本年、アメリカのメジャーリーグベースボールにおいては、カル・リプケン・ジュニアが同日から1998年9月20日までに2632試合の連続出場の世界記録を達成、日本ではホテル・ニュージャパンの火災、イギリスとアルゼンチンの間にはフォークランド紛争、などがありました。
そんな年にリリースされた3rdアルバムは、どんな感じでしょうか。
主観ですが、3枚目のアルバムというのはバンドのキャリアの節目になることが多いと思います。
アルバム発表時のメンバー
ボーカル:Bruce Dickinson(ブルース・ディッキンソン)
ギター:Dave Murray(デイヴ・マーレイ)
ギター:Adrian Smith(エイドリアン・スミス)
ベース:Steve Harris(スティーヴ・ハリス)
ドラム:Clive Burr(クライヴ・バー)
収録曲 & レビュー
①Invaders
・イントロからドラムの連打とギターのコード、動きのあるベースで始まります。全体的にかなりテンポは速めで、スピード感のある曲です。新加入のボーカル、ブルースも激しい曲調の中で自身の伸びやかな歌声を披露しています。個人的には好きな曲ですが、ライブでは演奏するのは聴いたことがありません。最新のツアーでぜひとも演ってほしいです!曲は最後まで突っ走りまくって終わります。
②Children of the Damned
・前曲から一転、ゆるやかなギターのアルペジオとベースのメロディックなフレーズでスタート。ブルースは切々とメロディを歌い上げます。前作までのボーカル、ポール・ディアノとは全く違った個性を証明。ドラムのリズムも良いですね。中盤からテンポアップし、ギターソロにかかる展開は聴きどころだと思います。
③The Prisoner
・ブルースによる語りから、どっしりしたドラムのリズムが入り、ギターとベースがユニゾンで寄り添ってくるイントロダクション。そこからはギアが上がり、曲は加速していきます。ボーカルのメロディは結構キャッチー。サビなどは特に覚えやすいでしょう。ギターソロも曲の勢いに乗った感じで弾かれていてグッドです。
④22 Acacia Avenue
・冒頭、ギターの刻みに乗り、ブルースが歌い出します。基本的にギターとベースはユニゾンで進行、ドラムのスネアの連打がカッコいいです。ベースは3rdアルバムの他の曲と比べるとおとなしめですが、太い音でバンドを支えています。この曲もメロディにフックがあるので、口ずさみやすいでしょう。
⑤The Number of the Beast
・新約聖書の一節のナレーションから始まる同曲。ライブではこの時点で盛り上がります。ギターとベースはユニゾン部分が多いですが、とくかくベースが目立つのが特徴。最低音から最高音まで余すことなく弾いています。ボーカルのメロディは表現力必須のライン。ブルースでなければ歌うのが困難と言えます。ギターソロも聴き応えがあり、楽しめる要素が多い曲です。
⑥Run to the Hills
・白人とアメリカ先住民の戦いについての曲です。全体を通してシャッフルのリズムが印象的。ベースは高い音を中心に弾かれていて、メロディックで耳に残ります。サビはライブで毎回大合唱のパート。メロディの高低差があり、ハイトーンありのボーカルは、ブルースの真骨頂でしょう。ギターソロからクライマックスへの展開は、何度聴いても飽きません。
⑦Gangland
・ドラムの独奏からギターやベースが合流し、ボーカルも入ってきます。テンポは比較的速め。途中にギターのハモりがありますが、特に盛り上がるパートがあるわけではありません。アルバムでは地味目な曲という感じでしょうか。終始スピード感があるのは好きです。
⑧Hallowed Be Thy Name
・厳かな雰囲気で鐘の音が響く中、ブルースの歌声が入ってきます。同曲は絞首台に向かう男の心情についての曲とのこと。ギターのハモりとともに曲が展開し、叫びにも似たボーカルのメロディが切なさを演出します。中盤の場面展開では、激しいリズムチェンジや印象的なギターのハーモニーなど、アイアン・メイデンの魅力満載です。アルバムの最後を飾るのにふさわしい大曲だと思います。
※上記はオリジナルの収録曲ですが、アルバムのバージョンによってはGanglandの代わりにTotal Eclipseが収録されていたり、または、その両方が収録されていることがあります。
⑨Total Eclipse
・ギターのパワーコードやアルペジオ主体のミドルテンポの曲。あらためて聴き直しましたが、印象的な展開やメロディーは特に無いような…。個人的には⑦Ganglandのほうが好きでした。
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まとめ
3枚目のアルバムで、アイアン・メイデンはいろいろと変わったと思います。ブルース・ディッキンソンの加入で、よりドラマティックな曲をプレイできるようになったり、過去と比べてサウンドプロダクションが向上したりなどです。特筆すべきは、今もライブでプレイされ続ける『The Number of the Beast』『Run to the Hills』『Hallowed Be Thy Name』などが収録されていること。アルバム全体の流れも滞りありません。名曲あり、佳曲あり、大曲ありの本作。アイアン・メイデンを最初に聴く一枚としてオススメ!
『The Number of the Beast』
【ギターハモり度】★★★★
【ベース目立ち度】★★★★
【曲キャッチー度】★★★★
※星は最大で5個です。
総合96点
以上【Iron Maiden】3rdアルバムレビュー【The Number of the Beast】の感想でした。
この機会にぜひ一聴を!
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